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平成27年度感染症予防歯科技工士講習会 受講状況
開催日:平成27年8月2日
受講者数:①会員39名 ②未入 会員11名 ③非歯科技工士1名 合計51名
感染症予防歯科技工士講習会 報告
平成27年8月2日(月)岩手県歯科医師会館(5F:8020大ホール)にて開催されました。
午前10時に開講式にさきがけ、一般社団法人岩手県歯科技工士会 会長 小泉 清三郎氏より挨拶有り、次にて、公益社団法人日本歯科技工士会 副会長 時見 高志氏より開催の挨拶を頂きました。
さて、講演Ⅰ「病原微生物の基礎知識」について、東京歯科大学名誉教授 奥田 克爾 先生が登壇されました。本県では10年前に研修会をされており、同会場には、歯科技工士はもとより、歯科医師、歯科衛生士も沢山の参加者があった事を覚えております。我が国における口腔微生物学の第一人者である「ミスター微生物マン」を御招いて開催されるという事は、大変光栄に感じました。
まずは、感染症の分類と対象感染症並びに、それらの性格について説明を頂きました。次に「病原体の種類」「医療現場で厄介なバイオフィルム」「感染症対策に必要な知識」「歯科技工士が特に注意すべき病原体」について「細菌」の種類である結核菌、黄色ブドウ球菌、化膿レンサ球菌、緑膿菌、レジオネラ菌、セラチア菌、「ウイルス」の種類、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、「真菌」の種類、カンジタ、アルビカンスについて丁寧に説明して頂きました。
最後に、口腔微生物学の基礎知識を説明して頂きまして、ありがとうございました。
続いて、講演Ⅱ「補綴物等作製過程における感染対策」について、大阪大学非常勤講師の大西正和先生が登壇されました。
大西先生は、日本歯科技工学会などへの発展や、「歯科医内感染予防技術均てん化会議」などの講演、「日本歯技」「QDT」「歯科技工」投稿など感染対策に係る多数の学術実績を持っております。
「感染症予防歯科技工士講習会」の講師を務めるだけに、明解な説明をして頂き、特に感染症に関する歯科技工界の現状と、歯科技工士における感染症の考え方については、歯科技工士として、理解して実行しなければならないと考えさせられました。
「歯科技工環境の整備」と「患者ZONEと技工ZONE間の搬送物の感染対策例」は、重要で「印象体の洗浄」「印象体の消毒」は、丁寧に、実行する事。「石膏模型に対する感染症対策」について、消毒薬の使用例を、塩素系錠剤溶液やアルコール系剤の模型への噴露法など説明して頂きました。
最後に、完成補綴物等に対する感染対策について「ZONE間において感染因子を持ち込まない。持ちださない。」という「ZONE」の基本理念に照らすと「技工ZONE」に移動させる前に適切な感染対策を行わなければならない。歯科技工物に求められる消潔度のランクは、完成した補綴物等には、「洗浄」や「清拭」では不十分であり「消毒」を必要とする。完成した補綴物等に対する感染症対策は「技工ZONE」内の必須の作業であり、歯科技工士の責任において適切な消毒を行った後に「患者ZONE」に搬送しなくてはならないと、大西先生は説明して頂きました。
本講習会は、歯科技工士の社会的向上、並びに歯科医療従事者としての確立の為に知識を持つ事が必要である重要な講習会でした。
本当に、奥田先生、大西先生、素晴らしい講演をありがとうございました。
(一社)岩手県歯科技工士会 副会長 阿部 治
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