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◆会 場 : ふれあいランドいわて(第2教養室)
盛岡市三本柳8地割1番3 ☎019-637-1000
●講 演 :「インプラント治療へのインフォメーションテクノロジーの応用
Applying Information technology to implant dentistry」
●講 演 :「デジタル補綴の新時代:The new era in digital prosthodontics」
◆参加費(昼食代込) :
歯科技工士会員… \1,000
未 会 員… \10,000
歯科医師会会員… \5,000
歯科衛生士会員… \1,000
学 生 … 無 料
◆定員 : 50名
◆申込締切 : 12月9日(水)厳守
◆お申込・お問合先:所定の用紙をFaxまたは、☎にてご連絡下さい。
岩手県技工士会事務局
Fax:019-654-5401 ☎ 019-654-5486
【近藤尚知 先生】
1993年 東京医科歯科大学卒業(歯学部歯学科)
1997年 東京医科歯科大学博士終了(顎顔面補綴学)
1997年 東京医科歯科大学 医員
1999年~2001年 ハーバード大学マサチューセッツ病院 研究員
2001年 東京医科歯科大学 助手 講師
2009年 岩手医科大学 准教授
2012年 岩手医科大学 教授
インプラント治療におけるインフォメーションテクノロジーの応用
近年の情報工学(Information technology:IT)の歯科医療への導入は,CAD/CAM(Computer Assisted Design/Computer Assisted Manufacturing)というかたちで技工物の製作に大きな変革をもたらし、既にその技術は日常的に用いられるものとなりつつある.すなわち、歯科技工におけるIT化は顕著であり,今後はセラミック材料関連新素材の開発に伴いその傾向はさらに強まるものと予想される.一方,診療を行う歯科医師の立場からみても,インプラント埋入シミュレーションはもとより、口腔内スキャナーの臨床応用が可能となったことで,印象採得の方法が大きく変わり,補綴臨床のかたち自体も大きく変わりつつある.欧米には大きく後れをとっているものの,国内においても,今年に入り,True Definition Scanner (3M), とTrophy 3D Scanner(ヨシダ)の2種の口腔内スキャナーが薬事承認され,デジタルデンティストリーの日常臨床の場で適用が現実のものとなりつつある.
現在までのところ,口腔内スキャナーの適用範囲は,少数歯欠損のクラウンブリッジであるが,インプラント治療においても口腔内スキャナーの臨床応用が可能となり, CAD/CAMシステムと併用することによって,治療期間の短縮,患者の肉体的負担の軽減,材料費の節約,高いデータの再現性などが期待されている.その一方で,口腔内スキャナーに関しては不明な点が多く,複数歯の治療においては精度の点で不安があるため,単独欠損症例の一部に限られているのが現状である.我々は,口腔内スキャナーが,距離の再現精度に関しては従来の印象採得法や歯科技工用スキャナーと同等の誤差範囲内でアバットメントの位置関係を再現することが可能であることを明らかにし(第45回日本口腔インプラント学会学術大会で報告),その結果から,口腔内スキャナーによる光学印象法は,従来のシリコンラバー印象材を用いた印象採得法と同等の精度を有することが示された.
以上より,デジタル歯科技術は日常臨床に用いることのできるものであり,そして今後もITの発展に伴いさらなる変革があるものと予想され,その発展と変革に我々歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士も対応してい行く必要がある.
【大平千之 先生】
1997年 岩手医科大学歯学部卒業
2002年 岩手医科大学大学院歯学研修科修了(歯科補綴学第二)
2002年 岩手医科大学医員
2003年 岩手医科大学助手
2012年 岩手医科大学助教(分野統合により歯学部補綴・インプラント学講座)
2015年 岩手医科大学講師(歯学部補綴・インプラント学講座)
デジタル補綴の新時代
CAD/CADMシステムを中心とするデジタルデンティストリーは,補綴装置製作過程の簡略化を実現し,歯科技工士,歯科医師ならびに患者の負担軽減を可能とした.
デジタルデンティストリーの中心であるCAD/CADMシステムは,1970年頃から補綴装置製作過程に応用する試みが進められ,主に作業用模型の三次元形状を計測するシステムを中心に発展してきた.計測器いわゆるデスクトップ型スキャナーは,接触法から非接触法へと変遷し,計測速度が飛躍的に向上している.
デスクトップ型スキャナーにより製作過程の効率化が図られる一方,印象採得,作業用模型の製作過程を必要とせずに口腔内を直接計測する光学印象の有用性も高まっている.
口腔内スキャナーを用いるこの方法においては,支台歯ならびに周囲組織の静止画あるいは動画を撮影後に迅速に三次元モデルを構築することが可能であり,チェアサイドで支台形態を簡便に評価できる.加えて,小型化された口腔内スキャナーを用いることで,従来の印象採得では困難な開口障害や嘔吐反射を有する患者に有効である.しかしながら,測定範囲や部位によっては,唾液等の口腔内環境の影響を受ける場合があり,操作時間が延長し正確な計測が困難な場合もある.そのため,症例に応じて適切なCAD/CAMシステムを選択することが重要となってくる.
現在,補綴歯科治療のデジタル化は,急速に進んでおり,顎運動のデジタルデータを基にしたデジタル咬合器を用いて機能時の情報をクラウン咬合面形態に反映させる試みも進められている.さらに,口腔内スキャナーを応用したデジタルシェードセレクション等も登場し,補綴歯科治療のワークフロー全てがデジタル化されることが現実味を帯びてきている.
講演では,補綴装置製作過程におけるデジタルワークフローの基礎的情報を提示するとともに,今後のデジタル補綴の展開について触れたい.
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